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平成十八年十二月廿六日
(Last updated : 2006.12.29)
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Tour

(3)

六華苑。 それは、旧・諸戸清六邸である。 大正2年の竣工。 鹿鳴館を設計した英国人ジョサイア・コンドルによる木造洋館に、和館が連結し、 庭は、本格的な池泉回遊式庭園となっている。 戦後は、桑名市税務署や、諸戸家事務所として使用された後、 平成3年桑名市に寄贈され、平成9年、洋館・和館が国の重文に、 平成13年、庭園が、国の名勝に指定された。 洋館

9:30、長屋門で入場料300円を支払い、 湾曲した通路を左へ曲がると、洋館が現われる。 テーブル 洋館右隣の和式の棟が施設の入口になっており、 這入ると下駄箱に靴がない。 どうやら、私が本日最初の入場者だ。 玄関

敷地内、受付、レストラン関係、掃除人など、 施設の関係者の人数は多い。 ロッキングチェア

すぐさま、洋館へ。暖房は、ほとんど入っていないか、利いておらず、 凛とした空気の中に、テーブルやロッキングチェアなどが、置かれている。 サンルーム

階段を登って2階へ。床に敷かれた赤い絨毯が、気品を添えるが、 床も階段も老朽化のため軋んでおり、 30人以上の団体は、同時に2階に上がらないよう注意を促す説明板がある。 二番蔵ただし中庭から

9:35、2階の、冬の陽射しが差すサンルームは、とても爽やかだ。

引き続き、和館が連なるが、大きな畳の部屋が2つばかり。 玄関棟ただし中庭から しばし寝転がって、休息を取るが、 電車の時間まで、余りゆっくりもできないと思い、 元の玄関棟まで戻る。すると、洋館の反対側も順路になっていたので、歩いていくと、 屋外に板が敷いてあり、二番蔵の前を通って、番蔵棟へ向かうようになっている。 高須御殿 これらの建物が裏庭というか、中庭を取り囲んでいる。

番蔵棟というのは、昔の大きな土蔵の内側を参観するような造りになっているが、 元は単に何かの収蔵庫として使用したものであろう。 離れ屋 蔵と庭の間が通路になっている。

旧・高須御殿という建屋が番蔵棟と接続しており、 少し離れた所に「離れ屋」がある。 高須御殿は、武家屋敷のような気品が漂い、 離れ屋は、今でも茶会が行われていそうな雰囲気である。 離れの手前から、稲荷社方向

ここで室内の観覧を終え、下駄箱の靴を履いて、玄関棟と二番蔵の間から中庭に入る。 二番蔵ただし屋外より撮影 9:50。 老婦が庭掃除しているところへ、庭石の上を飛ぶように進みながら、 庭の風情を楽しむ。 先の高須御殿の脇に稲荷社がある。 昔は、個人の邸宅の敷地内に祠をもうけるのが珍しくなかったようだ。 稲荷社

突然だが、ここで一言いっておく。 写真の配置を気にしながら文章を書く苦労は並大抵でない。 これは、さしもの司馬遼太郎も身につけていない技だ。 洋館 こうして出来上がった文章が、作品として後世に残る事も有りえない。

さて、いよいよ池泉回遊式庭園へ向かう。 中庭から直行したので、裏から表へ逆行するコースである。

9:57、池と池の向こうの建物の取り合わせが妙である。

滝の音がする。 池と建物

池を挟んで、建物を色々な角度で望む。 建物

さて、一周して表口に戻ると、道の向かいに芝生公園があり、紅葉が鮮やかである。10:07芝生公園の紅葉 地球温暖化現象・・・12月中旬にして、紅葉の見ごろなのだ。

さて、駅へ戻ろう。入場券を買った長屋門まで戻り、左折して、敷地の周囲を巡る事にする。 二番蔵付近を外から すると10:10、番蔵棟が塀に面していて、外の通りに青い土塀を露出している事が解った。 中々贅沢な風景だと思う。

庭園の周囲には、諸戸損害保険代理店とか、諸戸林業など、 諸戸一門の経営する法人の敷地が密集しており、 戦前、桑名の町で栄華を誇った一族の匂いを現代に色濃く残している事が解る。 はまぐり食道

その後、八間道路を普通に駅へ引き返すと、10:23、「はまぐり食道」が目立つところに店を構えていた。 はまぐり定食(約1600円)が名物だが、まだ営業していない。 私は、ミスドの飲茶定食で用を足し、電車の時間ぎりぎりまで、お代わり自由のアメリカン・コーヒーを飲んだ。

10:48、快速電車は、何とか席に座れ、 居眠りしつつも、いよいよ津に到着。11:22。 駅の東口を出、南側の最初の踏み切りを渡り、直進すると、突き当たりに、 古い石の建造物がある。

三重県立博物館である。私の頭の中では、県立の博物館というのは、 一時間以上滞在しないと展示を見尽くせない、という観念があったが、 ここは、入り口の左右に第2、第3展示室があるが、 これが小学校時代の理科の教室のホルマリン漬けの標本置き場、 というか、とりあえずイノシシの燻製は、季節がら注意を引いたが、 何ともしけている。

奥に「オオサンショウウオ」も居ますよ、と入り口の係員に告げられ、 第3展示室の先に渡り廊下があるのを辿るが、 これも小学校の裏庭にもうけてあるような、水槽に、 確かに「オオサンショウウオ」が飼育してあるが、 展示、というには、演出のない投げやりな施設である。 その奥には、古墳の石棺が置いてある。

これで全部か。印象としては、広島県安芸郡府中町の町立郷土資料館ぐらいの格ではないか。

ん?そう云えば、第1展示室はどこだ? ウロウロした結果、受付が座っている入口ホールの壁際に、 ショボイ鎧や、伊賀組紐という江戸時代以降の繊維製品に関する展示がされているのが、 それらしい。

こ、これは、「探偵ナイトスクープ」のパラダイス・シリーズで取り上げてもよいくらい、 地上最弱の県立博物館である。 確かに津市は、日本一人口の少ない県庁所在地だが、 それでも、市の施設の方が総じて充実しているように見える。 そもそも「三重県」という括りこそ、地元で丸っきり軽視されたノー・ブランドである事の象徴ではないか。 SL

博物館の脇に裏山への登り道がある。裏山全体が偕楽公園と呼ばれる。 登り口にSLが置いてあり、高齢の訪問者が熱心に写真を撮っていた。11:45

公園は、サクラの名所のようだが、今はオフシーズンである。 思ったより高低差がある。 いい時間つぶしであるかのように、公園を通り抜ける。 下りたところに三重県庁がある。12:00過ぎ

私の用事は、13時から三重県庁の講堂で行われる講演会・シンポジウムに参加する事だった。 次回は、翌日の朝の散歩についてである。

それにしても、中途半端なところで、新年を迎える事ではある。 皆さん、よいお年を!

(つづく)



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