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平成十八年八月十二日
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Tour
182006
(0) はじめに

2006年8月12日。早朝、一人で出かけるつもりで、卵ごはんを作ったり、ごそごそしていると、室が二階から降りてきた。 駅まで送ってくれるという。その一言で約20分の余裕ができた。

室は旅立つ私が心配なのだ。というのも、私は数日前に脳梗塞をやってしまったのである。 自覚症状としては、軽い。疲れたとき、舌がもつれるとか、右手でペンをもって字が書きにくいとか。(キーボード入力はOK)

病院では、検査を集中して行うには入院したほうがよいが、検査は週1回、予約しながら進めてもよい。 ただ、その間、原因を特定し治療方針を確定する、という事ができない状態で生活することとなり、 何かが引き金となって、脳の別の場所に脳梗塞を再発させるリスクはあります、と言われた。

まあ、入院しようとしまいと、治療を始めようと始めまいと、今後、何ヶ月かの間は、再発のリスクがあるのである。

但し、具体的に外出がだめ、何はだめと言うことは一切なく、タバコも吸わないし、血圧の急変に対する用心はあるし、 イライラしないようにも気をつけているので、あとは、気温が上がるこの時季、水分補給を疎かにするな、との由。 血液の水分が減ると濃度が高くなり、詰まり易くなるという理屈だ。

検査は毎週月曜日だが、14日は、先生自身が旅行の計画をもっており、出勤はしないので、検査も21日に、 という展開となり、私も、私の旅行計画を白状しないで済んだ。

今回は、3ヶ月ぐらい前から旅程案を練りこみ、頭の中でシミュレーションしては、何度も書き直していた。 荷造りも前の週末に済ませていた。ここに来て、中止はしたくない。しかし、発症後数日は、食事の味が感じにくかったり、 旅行を楽しみにするワクワクした気分も湧かない。取りあえず、すぐキャンセルしないと損失が発生する予約はしていないので、 ギリギリまで結論を延期することにした。

仮に決行するとして、何が足りないか、と考えてみた。水分は、常時中身の入ったペットボトルを携帯しておけば、まず大丈夫だろう。 あとは、直射日光への抵抗力低下を警戒して、日傘だ。 これは、偶々ダイソーに、雨対策として超軽量小型の折りたたみ傘を探しに行ったとき、雨天でも使える日傘という売り込みで、 525円の商品があった。私としては軽量小型で安価、という点を評価して購入しておいたのである。 これを日傘として積極的に活用しよう。但し、その傘は、色こそ真っ黒だが、回りにフリルがついていて、いかにも婦人用の外形であった。

そして当日の朝。寝起きの体調としては、発症後いちばん良い。平日は毎朝、気だるさが残り、 職場では、一時、キーボード入力も困難になり、両手両足の脱力感で、じっと座っていることも出来なくなったように感じ、早退した日もあった。 それが、まだ一週間もしないうちに、五日間の長旅に出ようとしている。 病は気から、ではないが、楽しみにしていた事をやり遂げようという気持ちが、リハビリの推進力になっているように感じられ、 不心得かも知れぬが、この旅行は決行した方がプラスになると予感した。限界を感じたら、リタイアして引き返せばよいだろう。

朝は自宅で済ませたので、駅前のコンビニでは昼食を購入。 駅の「みどりの窓口」が午前6時に始業するとともに、青春18切符をクレジットで購入。6時8分、定刻どおり電車が来た。というわけで、 旅は始まったのである。行き先は、今回も追々明らかにしていく。ミステリーツアーである。さてさて、電車はいずこへ、 そして途中リタイアはあるのか、続きは次回のお楽しみ。

(つづく)

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